なんで学校じいさん と父に聞くと
昔小学校で小使いさんをやっていたんだと
小柄なじいさんで本当に本当に小さな借家に
目の見えない奥さんと暮らしていた
自分も含めて残酷な子どもたちは
水汲みにきたそのばあさんに
違う道を教えてからかった
夏の午後だったか 庭で遊んでいたら
学校じいさんが初めて家に訪ねて来た
父と縁側で笑いながら話している
それから 3,4日して学校じいさんが死んだと聞いた
中学生になって 学校じいさんの奥さんが亡くなったと聞く
ふと思い出して あの日のことを話したら
父も母も全く記憶にない
死ぬ前に挨拶に来たのだろう
死んで記憶にも残らない小さな存在
(寺家ふるさと村 05/12/09)
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