記憶をとどめて
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
冷たい2月の風だ向こうには燃える雲その熱さに触れたい私の体は冷え切った思考に支配され右手に広がる小さな闇をかき消す事も出来ない
頭痛と悪寒で記憶が同じ場所をずっと回っている夜になれば胎児のように背中を丸め冷えた足先をゆるゆる動かすゆるゆると弱った頭のなかで別れた人たちが歩いていく
医者じいの家の裏道を歩いて少し坂を上ると左側に小さな家があったいつもは空き家で 一度豆腐屋が店を開いた朝鮮人の若い男が1人で働いていて大きな黒いベルトが天井からの伸びて回っていたじきに男はいなくなり横庭のパンパスが午後の日差しに揺れている
ある日トラホームに罹り学校の帰りに医者じいに目を洗ってもらった病室の窓からパンパスの穂先が見える
同性愛と言うだけで処刑されるイランと人を殺しても5年で世間に出てこられる日本と考えれば 命の軽さは同じ事だ
ふと振り返るとまるで光があふれる至福の世界から出て来たようなそんな気がして
眠れぬ夜に通りに出てみると一つ二つ思い出したように雨粒が落ちてきて谷中の夜を思い出す芸大のまえから上野桜木町霊園の入り口の花屋の前でふとタバコを吸ってみた
午前2時の朝はまだ遠いうっすらと白い道の上の桜の木の枝が街灯に光り・・・自分はどこに行くんだろうと
2階の窓がふと開いて下の姉が大声で話しかけてくる土壁も懐かしく右の木陰から猫が走り寄ってくる
縁側には洗濯物が取り込んであってこれから母と二人の姉が喋りながらたたんでいく私は何をしているだろう砂遊び? ハーモニカ?
誰もどこへも行かず私もどこへも行かない目の裏側の風景だ
いつからかこういう風に外に出ても道端に座ることがなくなったねぱらぱらと風に吹かれてはっぱの落ちる音を父と歩きながら 聞いた記憶があるタバコの好きな無口な父と
風もなく 穏やかな 冬の山から そっと声を出して 歌ってみる16の頃か 靴ひもを結ぼうとして黒いセーターの袖口がほころびているのを知った悲しかったなぁ とても
こちら側の壁に小さな窓を作って3本のシュロの木を見ていたいいつまで見ていても飽きることのないシュロの木を
何という躍動感のある空だふと子どもに返って走り回りたい気分だよ
(06/01 王禅寺ふるさと公園にて)
江戸川から煙突の見える風景があった君の住む町からも もう煙突は見えないだろうね千住の煙突は人を焼く煙だったか強烈な臭いにくらくらしながら広い道を歩いていた
誰にでもある不安と混沌とどこにでもある美と醜と
立ち止ってあなたの美しさに 見とれてしまう
(06/01/08 東京町田市にて)
空気はこんなに冷たいのに頭上ではひかりが溢れる向こうから優しいものが飛んでくるような真冬の昼だ
最新記事
アーカイブ
最古記事
カテゴリー
My other blogs
ブログ内検索
コメント
そして野良たちのブログ
プロフィール
過去に戻って残したい記録がいっぱいある・・
アクセス解析
バーコード
カウンター
RSS
忍者アナライズ